SSブログ

何が正しいというわけでは無いけれど [大学時代]

先週の金曜日のこと。
中央大学アナウンス研究会の後輩たち・・・いまの大学2年生と1年生が我が社に来てくれました。

もう3か月ほど前から決まっていた日程で、いい機会だからと思って、同じアナウンス研究会に所属していた卒業生、僕の先輩や同級生、後輩にも声をかけていたのだけど・・・
折からの新型ウイルスの蔓延によって「人が集まる」と言うこと自体に是非の議論が及ぶような世相になってしまったのは周知のとおりです。皆さん、それぞれ会社で会合自粛が呼びかけられているほか、お立場もあるゆえ、参加をご辞退いただくのはやむを得ない。一方で何より学生の皆さんを無理やり呼びつけるようなことになってはいけないと思いました。そこで学生さん達には、僕たち卒業生の中でも会への出席を見合わせようという人が相次いでいることを伝えたうえで、会の延期あるいは中止も含んで意向を何度も確かめました・・・これは何度も何度も。

すると意外や、学生の皆さんに躊躇は無く、みんな予定通り我が社を訪問してくれるつもりでいるというんです。これは、たとえ、迎える側が僕一人になっても、この会は実行しようと心を決めました。

我が社でも、在宅での職務遂行を奨励しているほか、会議は軒並み中止、飲食を伴う会合は避けよという指示が出されている中です。この集まりをそのまま、しかも、我が社への訪問という形で遂行することは、自分自身の立場を悪くするかもしれないなんていう恐れを感じなかったわけでは無いけれど、これは決して不急でもなければ不要でもないと自分に言い聞かせて「その日」を迎えました。

目の前には僕の息子よりも年下の皆さん・・・服装は堅苦しくなくていいから、いつものあなたたちでいらっしゃいと言っていたとおり、思い思いのいでたち。ダボダボなズボンやそれを通り越して土木作業の方のニッカポッカみたいなのも。髪の毛はド金髪・・・みたいな。
うわ!これが最近の流行なの!?会社の中、これで案内すると目立つかなぁ・・・なんて内心はおののきつつも、まぁ自由な格好で来いって僕から言ったんだからと、表向きは平静を装い、まずは会社の中・・・番組制作の現場を出来得る限りご案内。いつもより、ちょっと、いやかなり駆け足だったかも・・・学生さんたち、ごめんなさい。

89194212_2826979677390978_2286315429301321728_n.jpg
そして我が社の高級食堂で会食・・・珍しく画像を加工しております

会食では、僕たちが学生だった頃の平成初頭のアナウンス研究会のハナシや、そして今まさに彼らが過ごしている令和初頭のそれ、つながる様子やつながらない様子、自分たちの就職活動のハナシや、今のお仕事のことでアナウンス研究会での活動が役に立っていること、全く立っていないこと・・・あっという間に夜は更けていきました。

そして帰り道、学生くんの一人に、
「大学時代に、もっとこうしておけばよかったということはありますか」なんて聞かれ、僕は「もっと、積極的に『社会で生きるオトナ』に会う努力をしていればと良かったかな』なんて応えました。

多くの人は、就職活動が近くなって、慌てて自分の目指す業界の人のところに連絡するものですが、本当は、もっともっと早くから、様々な大人の社会に興味を持って、そしてそこにクビを突っ込んで行って、触れてみるといい。そうすれば、大学生活と言う比較的自由に使える時間を、どう過ごしたらいいのか考えるヒントがたくさん得られるんじゃないかと思うのです。
僕とて社会に出て、もう25年もその上も経っています。それがあっという間に過ぎていったような感覚ですが、大学生活なんて、その6分の1にも満たない期間です。その時間を大切に過ごさなくちゃいけないことというのが、お祭り騒ぎのような渦の中にいるとわからない。わからなくても気づかなくても時間は無情に過ぎていく。

だから、この集まりは、不急でも無ければ、不要でも決してなかった、中止しなくてよかったんだと・・・それまでは裏打ち無く自分に言い聞かせていましたが、ちょっと自信をもって思えるようになりました。

金髪とダボダボズボンに教えられてしまったわけです。

正直、僕にとってみれば、時間を費やし、さらに今の状況だとリスクも加わって、そんなことをしてまで学生さんに会ったところで何の利益も無い・・・どころか強がって食事ををご馳走したりなんかするものだから懐は実に寂しくなる。

では、なんでこんなことやってんだと言うと、アナウンス研究会には僕の大学生活を豊かにしてくれた恩があるから。それをなにかの形で返すことが出来たらいいなと言う思いで、卒業以来、現役の学生の皆さんと積極的に交わらせていただいているのです。
もっとも、それが役に立っているんだかいないんだかわからないので、独りよがりじゃないかと言われれば、返す言葉もないのですけど。

でもね、そんな風に思っていたけど、こちらも若い人たちから教えられることもあるじゃないかって・・・そういえば、アナウンス研究会で使っていた教本に「老いては負うた子に教えられる」なんていう一文がありました。

今回、そんな逆境の中でも、お台場まで来てくれた僕とともに学生時代を過ごした中大アナ研の仲間には感謝します、とても心強かった。そして残念ながら出席を見送らざるを得なかった皆さん、いつまでこんな状況が続くかわかりませんが、いつかは終息するはずです、そうしたら、必ず、お目にかかりましょう!


nice!(3)  コメント(2) 

nice! 3

コメント 2

YAP

私は日に日に、新型コロナと普通の風邪・肺炎の違いがわからなくなってきています。
世界中、何を恐れているのか?
ちんくろ2級さんの今回の対応は、何ら問題なく、学生さんたちもうれしかったことでしょう。
by YAP (2020-03-10 08:19) 

ちんくろ2級

YAPさん、いつもコメントをありがとうございます。
まったく、私も同感です。
感染者数が増えたの減ったの・・・というか増えた増えたと騒いでいるだけで、肝心な、このウイルスのもたらす危険性については何ら深い知識を与えられずです。
今回の会は決行してよかったと後で振り返ることが出来たらいいなぁと祈るような気持でおります。過分なご評価いただき有難うございます。嬉しいです。


by ちんくろ2級 (2020-03-10 17:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。