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ポケベルの思い出 [ニュース]

岡山の実家の向かいのおばちゃんがポケットベルを持っていた。
ただ、音が鳴るだけのもので、音が鳴ったら会社に電話をしなくちゃいけないと教えてもらった。
「これで電話は架けられんの?」と聞いたら「そねぇなものがありゃぁえぇなぁ」とおばちゃんは笑って答えた。
それがもう40年もその上も前の話し。


うちの奥さんがポケベルの会社に勤めてた。
その会社はまだNTT docomoではなく、NTT中央移動通信網という名前だった。
奥さんを通じてポケベルを買った。文字の出るもので、それで連絡を取り合っていた。究極の連絡ツールができたと感動した。
奥さんの持っている業務用のポケベルは数字しか出なかったから、僕のものの文字変換と同じ約束で数字を並べて暗号のように連絡を送った。11は「あ」12は「い」23は「く」34は「せ」45は「と」みたいに。
それが25年ほど前かな。


結婚して一年もせずに報道局に移動して、ポケットベルを持たされることになった。それを機に自前のポケベルは解約。僕の腰には社用のポケベルが常につくことに。腰どころか、風呂に入る時には扉のすぐ脇に、寝るときは枕元にと、常に一緒の憎い友。
ポケベルが鳴らなくて・・・どころか、どうぞポケベルよ鳴らないでくらいなもので、あらゆる電子音がポケットベルの電子音に聞こえた。どこかで誰かが公衆電話での電話を終えると鳴るピーピーって音が特に似ていて一番心臓に悪かった。それが20年くらい前かな。
社会部の記者になった時に、初めて業務用に携帯電話を持たされたけど、引き続きポケットベルは使われていた。
むしろ会社からの呼び出しは、まだポケットベルが主流で、携帯電話はそれに応える手段として持っていたようなものだった。
出てくる文字は主に3種類。
「333」→時間のある時にデスクまで電話
「222」→キリの良いところでデスクに電話
「1111111111……」とにかくすぐにデスクに電話!!!!!
1並びの液晶画面を見たときの「キター!!!」な気持ちは今も忘れられない。どころか、こんなことを書いているだけで、気持ちが高揚して心拍数が上がるかのようだ。
14年前に報道記者から人事部に移動した時にポケベルは会社に返して、再び記者に戻った7年前には、もうポケベルは使われなくなっていた。


ということで一番多くの時間を共に過ごしたポケベルは会社に返してしまったけれど、奥さんを通じて買ったポケベルは、音こそ鳴らめ、家の何処かに大切に保管されている。


あのポケベル、何処にしまい込んだかな・・・次の休みにでも探してみるか。



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