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夏が来れば思い出す [ふるさと]

梅雨明けて本格的な夏。


こんな暑い季節に、ふと、自分が小学生の頃を思い出す。


僕の通っていた小学校までは、僕の家から約2kmの距離があった。その2kmを僕は歩いて通っていたのである。もちろん1年生の時から。


それにおよそ田んぼの中を走る一本道のこと、道中に影になるようなところはない。
夏の休みには、午前中に水泳の訓練に小学校に出向き、一番日の高いお昼ごろに小学校から家に向かって歩いていく。そんな毎日があった。


今も、目を閉じれば、焼けたアスファルトの道のはるか向こうに、逃げ水と言われる現象が見える。
逃げ水は、その名の通り、その場所まで行けば、逃げるようにさらに先に逃げていく。実際は水では無く焼けたアスファルトと空気の温度差で路上が水のように見えているだけのものである。


故郷を離れ、東京で暮らしている時間が、どんどん長くなっている今。
そんな酷暑の思いでも、愛おしく感じる夏である。


明日から8月か。




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